御 質 問 に 答 え て
~初めに~                                                     


閲覧者の方から様々なキーワードが寄せられます。(キーワードは単語のみで、URLもIDも表示されません。個人の情報は守られています)

このキーワードからいろいろ想像の羽を広げて、この方はこんな質問をしたいのではないかと考えたりします。それが合っているか間違えているか分かりませんが、ご質問のことと勝手に解釈して答えを試みたいと思います。もしその回答に間違えや誤解を招く事柄があったならば、遠慮なくご指摘ください。当方にも勉強にになります。
メール:tengu@ex.catv.ne.jp



1、良くあるキーワード[テレピン油と片脳油との違い]


テレピン油も片脳油も塗料の溶剤です。テレピン油が松脂から精製されるのに対して、片脳油は楠(クスノキ)の樟脳脂から精製されます。油絵の具など固い物を溶かすにはテレピン油が都合がよく、漆など柔らかい物を溶かすには片脳油が向いています。



また、両者の揮発時間も問題になります。片脳油はゆっくりと揮発していきます。漆を時間をかけて塗る場合ゆっくりと揮発する片脳油のお蔭で同じ濃さの漆が塗れます。もっと時間をかける場合は、樟脳の固体粉末を漆に溶かして塗ります。「呂色磨き」で使われます。



趣味の和竿作りをしている方はカシュウ―漆を使うことが多いと思います。カシュウ―漆は水分量が少なく、どどちらかと言うと固い塗料に属します。ですから溶剤はテレピン油が向いていると思います。


2、良くあるキーワード [中通し竿のワイヤーロープ]
 」
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当サイト「制作過程Ⅱーハゼ中通し竿」でご紹介した「ワイヤーロープ」が度々キーワードに登場します
当方この品物を釣具店で購入したを記しましたが、記憶が定かでなくもしかして東急ハンズで手に入れたかもしれません。一生懸命思い出そうとしているのですが、昔のことなので記憶が戻ってきません間違えていたら誤ります。

 

3、良くあるキーワード
[手ばね竿について]
 


手ばね竿もよく出てくるキーワードです。閲覧者の意図が分からないまま、当方勝手に解釈して述べたいと思います。





手ばね竿の糸巻き(普段はと呼んでいます)を外して、リールシートに置き換える方を見かけます。あまりお勧め出来ません。手ばね竿は魚を掛けるだけの役目です。掛けたらあとは、道糸をたぐり寄せて魚を取り込みます。全部と言っていいほど繊細な胴調子の竿です。リールでやり取りすると、胴のあたりが曲がり過ぎて、最悪の場合折れることがあります。
  

4、良くあるキーワード [ヘチ竿について] 


ヘチ釣りの愛好者が多いので当然のようにキーワードに出てきます。ヘチ竿の源流は言うまでもなく庄内竿にあります。庄内竿の信奉者の一人として数本持っていますが、写真でご紹介できないのが残念です。私のカメラでは撮影できません。なにしろ仕舞寸法で1.8m、全長は3.3mです。



この竿で尺上の黒鯛をかけたら、後ろに後退して道糸を左手でたぐり寄せ、肘に素早く巻き付けるか体を駒のように回転して巻き付けるかです。あとはゆっくり々と左手、右手と交互に動かしながらタモに入れます。ヘチ竿はこの亜流ですからかなり繊細な竿の作りになっています。魚が沖に行ったらタイコリールから糸をだし、顔をこちらに向けたら巻きます。それだけのやり取りをしなければ、ヘチ竿は扱えないことはヘチ愛好家が良く知るところです。

 

5、良くあるキーワード[蛇口の取り付け]

検索キーワードに度々出てくる「蛇口」について、取り付け方と道糸との接合についてご紹介します。

 


[取り付け方]


①~(写真左)極細の組紐があれば、千枚通しで糸をほぐして穂先に取り付けます。接着剤を付けた後、先端から太い方へ固定の糸を巻いていくときれいに仕上がります。


②~(写真右)組紐がない場合は、peライン(または30番手絹糸)を三つ編みにして、片方をほぐして穂先に取り付けます。ここでも細い方から太い方へ固定糸を巻くときれいに仕上がります。


[道糸を蛇口に付けるーチワワ]


              



8の字結びを二か所作ります(チワワ)。二か所目のリングに親指と人差し指を入れて円形に広げたら道糸を両方の指で引いてきます。そこに蛇口を通して左右から糸を引き強く接合します。渓流釣りもヘラブナ釣りもこの方法で道糸を取り付けますが、いままでに外れたことはありません。


6、良くあるキーワード
[印籠芯]




印籠芯についてご質問を受けたことがあるので、ご説明をします。 



  


▲ 
竹1と竹2が印籠芯でつながっているとします。
ごく単純化して、竹の重みもしなりも図の4点で支えています。その印籠芯を支えているのが2点の節です
時々竹1の側に節なしの所に芯が入っている竿を見かけますが、最初は良くても使ううちに竹が弱ってきてヒビが入ってしまいます。



また①の先端部は実際は節の在りかであり太目です。芯の挿入が難しいからと言ってこの節をヤスリで削り過ぎたり、時には切断したりする竿も見かけます。支える4点のうち1点が失われることになります。また太めの印籠芯を選んだため、③から④の間を削り過ぎると2点が失われます。しかし竹2側に入れるために極薄く削らなくてはならないのがふつうです。その時は③部だけの削りは避けた方が良いでしょう。
(接着剤のかじり付きを良くするために③の表面を軽く浚うことはこの件には入りません)



印籠芯挿入を簡単に行うために細い芯を選ぶと、②と③の間に隙間が生じます。竹2がお辞儀するようになってしまい、場合によっては芯そのものが折れる原因となります。適合した芯を選ぶためには0.1mm
単位で各種の印籠芯を揃えていた方が無難でしょう。

なお余談ですが、すげ口に入れた印籠芯がカタカタと音がする場合があります。音の発生元は①か②です。

 


7、良くあるキーワード[真竹の3枚合わせ] 


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「真竹の3枚合わせ穂先」のキーワードが何回か登場します(冒頭で申し上げたように、キーワードは単語のみで、URLもIDも表示されません。個人の情報は守られています)。




当方一枚の削り穂、四枚合わせ穂先作り(制作過程Ⅲ~ヘラブナ竿編)しか経験がなく3枚合わせは未経験です。キーワードにこの「3枚合わせ」が何回か出てくるということは、質問者がお困りの様子と想像して自分ならこのような方法を採るということで答えさせて頂きます。以下の方法はまったく役立たないかもしれません。それを前提にお読みください。






 ①~120°に開いた刃(両刃が適当と思われる)を組み込んだV字形木枠を制作しておきます。刃は木組みのスリットにはめ込むといいと思います。ひごを引いたり押したりしますから両刃が適当と考えます。刃は小刀から取り出したものが良いと思いますが、カッターの刃を複数張り付けるのも一手かと思います。



②~台座を万力に固定するのがいいと思います。万力の開く幅を計算に入れて台座の奥行を考えた方が良いと思います。



③~作業は刃物を使うのでけがの事を考えて、一気にやらず毎日少しずつよるようにしたらどうでしょう。竹の繊維層は単純な配列のように見えますが、実際はかなり複雑です。その為に押す、引く動作が必要となり危険も伴います。固い節部分はかなりのむずかしさが予想されます。



④~以上120°のひごを3本作りまとめて接合して終わりとなります。その後の作業はテーパー作りに移ります。

以上ですが、当方が経験もないことを記しているのでこのやり方が良いとは一向に思っておりません。これを参考にご自身で改良の道具をお作りになれば当方にも勉強になります。結果をメールにてお知らせくだされば幸いです。
 

 
8、良くあるキーワード
[拭き取りはネル布でよいか]
 

          [ネル布]  [拭き取り和紙]


▲ 新漆であるか、本漆であるか分かりませんが、拭き取り地はネルで良いかのご質問がありました(キーワードは単語のみで、URLもIDも表示されません。個人の情報は守られています)

結論を申し上げると、拭き取り和紙の方効果が数段上だと思います。



①~本ネルは御存じのように羊の毛を加工した布地です。漆を塗った塗面を痛めないという良さはありますが、動物性のゆえ油分が毛に含まれます。そのために漆を余すところなく拭き取るとき、この油分に漆が
はじかれて拭き残しが出てくる恐れがあります。拭き取りでなく、拭き漆で使う分では合格の素材だと思います。



②~一方拭き取り和紙は、紙すきの段階で繊維と繊維との間に空気の隙間を作ってあり、この隙間に漆が
入り込み拭き取れるということになります。もっとも使う前には良くもみほぐしれ柔らかくして塗面を痛めないようにはします。この手間は必要です。漆芸専門店で扱っています。 



9、良くあるキーワード
[漆が乾きにくい]
 



   






本漆であれ新漆であれ、酵素(二つ以上の元素を仲立ちして両者を結び付ける役目を持つ、いわば新郎・新婦の仲人である)の触媒によって空気中の酸素とウルシオーゼ結びつき酸化することによって乾きます生漆でも瀬〆漆でもチューブから出した最初の色が茶色なのに乾くと黒色になるのはこの酸化のせいです。



さて漆が乾きにくい最大の原因は人間の側にあると考えます。確かに酵素が活発に動く温度を考えれば、18°以下の温度では化学反応はしにくい。しかし漆塗るをやるほどの人には(もちろん新漆でも)この辺の事情はお察しこと考えます。



では乾かない原因はなにか。それは油分のせいだと思います。油分が酸素とウルシオーゼの間に入り込み壁となって酸化の条件を邪魔しているのです。油分を避ける要点。

①刷毛に油がついていないか

②定盤に油が残っていないか

③両手に油分はないか

④塗面に油分はないか

このように書くと漆塗りは面倒と感じるかもしれませんが、「習いが性」となりなにも面倒を感じなくなります
油分の心配がある時は、色々な除去法がありますが、とりあえず溶剤を用いてきれいに洗うことだと思います。





それでも1週間たっても乾かないのであれば、別の原因を考えなければなりません。[一例として]
私が時々相談に乗ってあげている方が、「全然乾きません」と困り顔で来ました。話を聞くと、その方は自宅の風呂場を漆室としているとのこと。家族が入り終わった後の風呂場は漆室とは最適を思われたのでしょう。ところがそれが乾かない原因です。乾燥の仲立ちをする酵素は、50℃、70°でほとんど機能が消えてしまいます。                                             

酵素が失えば漆は乾きません。風呂場の温度は酵素を壊してしまう温度だと思われます何かの幸運で乾いても、「漆焼け」と言って黒色漆ば茶色となってしまいます。その後その方は別の方法で漆室を作り今は順調なようです。 







10、良くあるキーワード
[手ばね竿の道糸固定]






手ばね竿でタイを掛け、糸(ほとんどの場合タイ専用のラージ糸)を手に取り一手、二手、三手とタイの口に針を絞めつけていくときの快感は経っても忘れられません。御質問された方もそういう快感を味わっている方と想像します。 




ただ[手ばね竿の道糸固定]という事柄がよく分かりません。手ばね竿を使うほどの方ですから、    ①の糸巻(杭)に輪ゴムで糸を固定するするのはすでにやっていらっしゃると思います。当方で以下のように内容を推察してお答えします。
(1)アタリのあった個所に糸を固定したい。
このように推察します。




② 印をつける
糸と水面の接点に印をつけておくと良いと思います。材料は爪のマニュキュアです。私は近くにいる女性に定着度が一番高いマニュキュアを教えてもらい、ラージ糸の表面を爪で軽く研いで付けます。付けて定着するまで少し時間がかかりますが、かなりの定着度で良い目印になりました。またマニュキュアの良い所は膨らみがほとんどないので、竿のガイド内径をすんなり通過してくれることです。

また事前に船頭にどのぐらいの深さのタナを攻めるのか聞いておき、その範囲に1m単位(あるいは尋や矢引単位)で印を付けて準備しておくのもよいと思います。


 

 11、良くあるキーワード[込みが抜けない] 





和竿制作中、時々起きる例です。すげ口に何かの理由で水が入り、膨張した繊維質が込みを絞めつけている為と考えます。これを無事抜く事はかなりの勇気がいることで、この部分の破損を覚悟でやらなくてはなりません。釣具店や竿師の所にもっていくのが一番だと思いますが、わたしがやっている事を敢えてご紹介いたします。一か八かの勝負なのでそのつもりでお読みください。失敗は覚悟の上で。



①~すげ口に巻いてある糸はそのままにして、両手で竹を持ち込みが入っている範囲(図の矢印)をアルコールランプ(またはロウソク)だけを回しながら温めます。時間は込みの締め付け度合によって違います。
すげ口の繊維層の水分が蒸発して締め付けが弱くなり、すっと抜ける時があります。
ただ本漆の場合は熱に強いので変色はあまりありませんが、新漆に於いては変色または溶けるということが考えられます。



②~上の方法で抜けない場合はすげ口に巻いてある糸をすべて取り払い竹の地肌を出します。その上で①でやった方法で温めて抜きます。この際、すげ口にヒビが入ることがあり、火の当て方はかなり難しくなります。
上記で申し上げた通り、失敗して元々と覚悟してやる仕事です。初めての方は、余っている二本の竹を削
りわざと込みが抜けない様に細工して練習してから本番に臨むことをお勧めします。 




12、良くあるキーワード
[新漆の塗り方]



新漆の塗り方について御質問がありました。趣味で和竿作りをしている方の多くは新漆で竿を塗っていることと思います。私は新漆の経験が乏しく、塗り方や研ぎ方の要点がよく分からないのが実情ですこれではいけないと思い、機会がある度にデパートの漆器売り場をまわり、新漆を使ってどのぐらいの出来栄えのお椀やお盆ができるのか見ました。予想以上に光沢があり艶も出ている器があるのには驚きました。

売り物になるぐらいですから当然と言えば当然です。
一から勉強のつもりで新漆で塗った作品が下の写真です。


[メバル竿] 非売品


   


 [試して分かった事]

①~道具は本漆並に良いものでなくてはならない事。
*絵の具筆を使う方を見かけますが、やはり漆刷毛が必要です。新漆用の刷毛を扱っている店があると思います。
*お椀の中で新漆と溶剤を混ぜても均質のやわらかな漆になりません。定盤がなければ、日曜大工道店でガラス板(やや厚め。プラスチック板でも可)を購入して定盤として扱い、その上で新漆と溶剤をヘラ(プラスチックのヘラで可)で万遍なく撹拌することが必要となってきます。やわらかで塗りやすい漆となります
*研磨剤は耐水ペーパーで十分です。   #800~#2000

②~研ぎが重要である事
新漆は水分量が少ないので、たとえ溶剤で薄くして塗っても刷毛目が出てしまいます。次の塗りに移る前に十分研磨剤で研ぐことが大切を思われます。
研ぎ具合の良し悪しが分かりにくい時は、タバコの箱を覆っているセロハンを抜き取り、中に指を入れて塗面をなぜると凹凸の程度が分かります。確かめたうえで次の塗りに移る方が適切と思われます。

③~刷毛の運びが大切である事。
*刷毛に薄く漆を付けて、【螺旋状に塗る→円周を塗る→上から下へ塗る→下から上へ塗る】の運びで均一な塗面をつくる。薄く何回も塗っていくうちにきれいな発色が見られます。

以上ですが、新漆塗りの名人はもっとうまい説明ができるのではないかと思います。私もこれから少しずつ勉強していきます。


13、良くあるキーワード
[糸巻き(杭)間の長さ]



    









 杭と杭との長さは25cmにしています。始点を持って一回繰り出すと25×2=50cmになります。三回繰り出すことにより150cmとなり、つまり一尋となり尋単位でタナを取るマダイ釣りには便利です。



14、良くあるキーワード
[振出竿で元に入らない]



振出し竿を作るときによく起きるトラブルです。元竿にその先の竿がなかなか入らない原因はいくつもありますが、ここでは元竿の内径削りが弱いために先竿が入らないと想定して対策を考えてみたいと思います。また振出し竿を女竹系の材料と考えて述べていきます。


{図1}





{図2}

    




{図1}ー目に見えない長い距離を削るのであるから時間を掛けてゆっくり丸棒ヤスリで肉を浚っていく。少し削っては先竿を入れ、その具合如何でまたヤスリを入れて削っていく。この繰り返しで徐々に意図した内径を作っていく。
元竿には事前にタコ糸などの太い糸で仮巻をしておくと安全である。また注意しなくてはならない点はすげ口(赤く塗った所)はこの段階では削らない方がよいだろう。竿全体の削りが大体終わった所ですげ口削りを重点的にやった方が失敗は少ない。




{図2}
ー(写真上)外径違いの丸棒ヤスリを何本か揃えておくと仕事がやりやすくなる。
(写真下)また丸い棒に紙ヤスリを接着剤を付けて巻きつければ、微妙な厚さの削りができる。私はこの先端にもうひとつ別のヤスリを付けている。鉄の棒に予め接着剤を付けて置きその上から粗さの違う二種類の金剛砂を蒔く。金剛砂は金属の粉であるから一点だけを狙って削るのに便利である。





15、良くあるキーワード
[板オモリをきれいに巻く方法]
~ヘラブナ釣り





「板オモリをきれいに巻く方法」についてご質問がありました。ベテランのヘラ師に答えてもらうのが一番でしょうが、ここでは私なりにやってきた巻き方を説明します。

①~少し長めのオモリの両端を台形状に切りそろえます。

②~例えば左先端から道糸に巻いていくとして、全部を巻かず、途中を残してオモリとウキのバランスを取ります。バランスを取る時には右先端を切っていきますが、その切り口も台形状です。バランス取りが終わったら、最後に台形先端を強く巻きつけて終わりです。


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